ケアプラン有料化によってどう変わる?懸念されている問題点を解説

2022年12月、厚生省はケアプラン作成の有料化を先送りしました。

ケアプランは現状ではケアマネージャーが無料作成することになっており、有料化に対してメリット・デメリットの両方が指摘されています。

2023年1月現在は、デメリットの声が大きく、有料化が先送りされている状況です。

では、有料化すると具体的にどのようなメリット・デメリットが生じるのでしょうか?

この記事では、ケアプラン有料化で懸念される問題点を、介護事業実績25年以上の「やさしい手」が解説します。

ケアプランとは?

ケアプランとは、簡単にいえば介護の計画書のことです。

作成時には支援方法や利用する介護サービスを具体的に決めます。

サービスによって3種類の計画書がありますが、ケアマネージャー(ケアマネ)が作成するのが一般的です。

作成には介護保険が適用されるため、費用の負担はありません。 自分で作成することも可能で、セルフケアプランと呼ばれています。

ケアプランの有料化が先送りになっている理由

2022年12月、厚生省はケアプラン作成の有料化を先送りにすることを正式発表しました。

理由は「利用控えが起きる」との懸念が相次いだためです。

介護サービスの利用控えが起きると介護サービス事業所の経営が厳しくなる可能性があるほか、認知症や障害が進行するなど状態が悪化します。

状態が悪化すると介護内容も変わってしまい、介護保険を利用しても費用と介護者の体力が削られるかもしれません。

ケアプランが有料化するとどうなる?

財務省はケアプランの有料化を2024年度からの導入を提言しています。

2019年・2022年と続けて先送りになりましたが、2024年度からは実施されるかもしれません。

ケアプランが有料化すると作成に費用がかかることはもちろん、介護サービスの質や利用に関する問題が発生すると考えられます。

介護業界で働く人の中には、業務内容と賃金の差を不満に思っている人も多いです。

先ほど解説した「介護労働実態調査」では賃金の満足度が一番低く、調査を開始したときから「賃金が低い」と不満を持つ職員が50%以上いることがわかっています。

利用者が毎月1,000~1,500円の費用を負担する

ケアプランの作成を1割負担と仮定すると、毎月1,000~1,500円ほどかかることになる。

年換算すると1万2,000円~1万8,000円です。

現在は国が全額負担していますが、1割負担でもこれだけ費用がかかれば大きな痛手となるでしょう。

物価の高騰や賃金の停滞を考えれば、「これ以上負担になることはやめてくれ」と言いたくなります。

運営者によって介護サービスに違いが生じる

ケアプランが有料化するということは、「費用を支払った人だけがケアマネが作成したプランでサービスを利用できるようになる」ということです。

ケアマネが作成したプランではなく、自作のプランでも届け出はできます。

しかし、事業所としては介護の知識と経験のあるケアマネが作成したプランのほうが安心です。

そのためケアプラン有料化後には自作プランでの利用を断ったり、サービス内容に差が出たりする事業所が増える可能性もあります。

介護事業の利用者が少なくなる

有料化によりケアプランを作成する人が減り、介護サービスの利用をやめてしまう可能性があります。

そうすると介護事業の運営が厳しくなったり、ケアマネの仕事も減少したりするでしょう。

ケアプランの有料化で負担が増えることにより、必要な介護サービスが削られてしまうかもしれません。

また、貧困に悩むヤングケアラーの場合、介護サービス自体が利用できなくなってしまう可能性もあります。

ヤングケアラーとは、家事や家族の世話などを日常的に行う子どものことです。

障害や病気のある親に代わって家事や介護を行ったり、幼い兄弟の世話をしたりします。

親が障害や病気で働けない場合、収入がないため貧困に悩む家庭もあります。

貧困状態でケアプランが有料化すると学業や友人関係に影響が出るだけでなく、家計の負担も増えてしまい生活が困難になってしまうかもしれません。

ケアプランを自作する利用者が増える

自作のケアプランによる利用者が増えることも懸念される問題の1つです。

ケアマネに作成を依頼しなくても、自己作成することも可能です。

しかし、介護・看護に関する知識がない人がプランを立てると間違ったプランとなり、生活の質が低下する恐れもあります。

利用者の状態変化に気づかず以前のプランを引き続き使ったり、間違ったプランを作成してしまったりするかもしれません。

ケアプランの有料化により自作プランを作成する人が増えれば、間違ったプランでもその内容に合わせた介護サービスを行う必要があります。

ケアプランを毎月作成する理由は、利用者の状態に合わせてプランを変える必要があるからです。

病気であれば回復・改善されている状態に合わせたり、認知症の場合は進行具合に合わせたりしてプランを変更する必要があります。

介護事業のコンサルなら「やさしい手」にお任せ

ケアプランの有料化でさまざまな問題が懸念されていますが、「お金を払っているのだから」とさらに高いサービスの提供を求められる可能性があります。

有料化後にケアプランの有無で介護サービスの内容を変えた事業所であれば、こうした対応をしなければならないこともあるでしょう。

ケアプラン有料化後に高い介護サービスを提供するのであれば、人材の確保や新しいシステムの導入は必須です。

介護サービスの質を上げるためにセンサーを導入したり、高い介護スキルを身に着けるための教育や研修などをしたりする必要もあります。

「有料化後の運営について相談したい」「今から対策をしておきたい」とお考えの事業者様は、介護コンサルティングの「やさしい手」までご相談ください。

25年以上の介護事業の実績と事業所総数300以上の経験を活かし、業務効率化やシステム導入のサポートをします。

まとめ

ケアプランの有料化が先送りになっている理由を解説し、「有料化するとどうなるのか?」の疑問にお答えしました。

現在、ケアプランの作成は介護保険を利用するため費用の負担がありません。

そのため、介護保険を利用すればだれでもケアマネが作成したプランで介護サービスを受けられます。

しかし、ケアプランが有料化すると「だれでも」というわけにはいきません。

自作プランでの利用者が増えると考えられるほか、そもそも利用者が減ってしまう恐れもあります。

ケアプランの有料化によるさまざまな影響に関して事前に対策を取りたいのであれば、介護コンサルティングのやさしい手までご相談ください。

お問い合わせからご相談までオンラインで可能なため、忙しくて対面でのご相談が難しい方もお気軽にご利用いただけます。