看護小規模多機能型居宅介護を立ち上げるには

看護小規模多機能型居宅介護の歴史

看護小規模多機能は、2011年の介護保険法改正で創設されました。地域密着型サービスの一つで「通い」「泊まり」「訪問介護」「訪問看護」「ケアプラン作成」のサービスが一体となった複合サービスです。

創設時の名称は「複合型サービス」でしたが、2014年介護保険法改正の時に、「看護小規模多機能型居宅介護」と名称が変更されました。

終末期も含めた在宅療養の継続を支えるためには、医療ニーズの高い方にも対応できる宿泊や、気軽に相談できるというニーズもあり、従来の小規模多機能型居宅介護(通所・宿泊・訪問介護)に訪問看護をプラスして一体的に提供するサービスが誕生しました。

利用できる人は

要介護1~5の認定を受けている方

事業所と同じ区市町村に住んでおり、利用する事業所の所在地に住民票のある方です。

サービスを提供する事業所の利用定員は29名以下となっていますが、通い定員は18名以下、宿泊定員は9名以下となっています。

利用定員により、通い、宿泊の定員も変わってきます。

看多機の特徴と魅力

1, サービスが一体なので、顔なじみの職員から4つのサービスを受けらるので、安心して利用できます。

2,看護師を多く配置しているため、 医療ニーズの高い方でも安心です。

3,利用料は月額報酬なので安心して利用できる。

4,利用者や家族の状況が変わった場合も、看多機のケアマネジャー(計画作成担当者)が、臨機応変にサービスを調整するので、柔軟にサービスを変更できます。

事業所数は増加傾向

医療依存度の高い方にも、複合的にサービスを提供できる点で、ニーズも高く、創設以来、全国的に事業所数は増加しています。

しかしながら、開設事業所数は都道府県ごとにばらつきが見られます。

地域密着型サービスの為、各市町村の整備計画などにより、開設許可件数の制限や、公募の際の応募基準が、自治体独自の基準を設けているケースもあるようです。

全体的には、人口の多い都道府県において、事業所が多い傾向にあります。

人員基準について

◆従業員の数(人員配置)

①日中
・通いサービス提供:利用者3人に対し1以上(常勤換算)
・訪問サービス提供:2以上(常勤換算)

・人員配置は各サービスに固定にせず、柔軟な業務遂行が可能です。
・通いサービス及び訪問サービス提供のうちそれぞれ1人以上は保健師、看護師又は准看護師
②夜間・深夜
・泊まりサービス及び訪問サービス提供:2人以上(うち1人は宿直勤務可)
(泊まりサービスの利用者がいない場合、訪問サービス提供のために必要な連絡体制を整備しているときは、夜間・深夜の時間帯を通じて宿直勤務及び夜間・深夜の勤務を行う従業員を置かないことも可能)
③従業者のうち1人以上が常勤の保健師又は看護師
④従業者のうち保健師、看護師又は准看護師は常勤換算法で2.5以上
⑤「認知症対応型共同生活介護事業所」「地域密着型特定施設」「地域密着型介護老人福祉施設」「指定介護療養型医療施設」を併設する場合、一体的な運営をしていれば兼務可能(同一時間帯で職員の行き来を認める)
⑥必要な研修を修了し、居宅サービス計画等の作成に専従する介護支援専門員(非常勤可、管理者との兼務可)を置く
⑦介護支援専門員は利用者の処遇に支障がない場合は、事業所・併設施設等の他の職務に従事できる

◆管理者

専従かつ常勤で配置
【要件】

①特養などで認知症の利用者に対する 3 年以上の介護経験を有し、厚生労働大臣の定める研修(認知症対応型サービス事業管理者研修)を修了した者
②保健師もしくは看護師(認知症対応型サービス事業管理者研修の受講は不要)

訪問看護も運営する

訪問看護サービスが医療保険に切り替わった場合、訪問看護サービスは医療保険に請求することになります。看護小規模多機能としては、医療保険は請求できなくなります。

この際に、訪問看護事業所の指定を受けて、一体的に運営すると、医療保険に切り替わった方も、サービスの提供ができます。また、看護小規模多機能は、定員29名以下ですので、収益の限界があります。一体的に運営することで、地域にお住いの方にも訪問看護サービスを提供できるため、収益をさらにプラスにすることが可能です。

人員基準も、訪問看護ステーションの人員基準(看護職員2.5人以上)を満たすことにより、看護小規模多機能の『保健師、看護師又は准看護師は常勤換算法で2.5以上』という基準を満たすことになります。

設備基準

①居間及び食堂は機能を十分に発揮しうる適当な広さ
②宿泊室
・個室の定員:1人(利用者の処遇上必要と認められる場合は2人)
・個室の床面積:7.43㎡以上(病院又は診療所の場合は6.4㎡以上(定員1人の場合に限る))
・個室以外の宿泊室:合計面積が1人当たり概ね7.43㎡以上で、プライバシーが確保された構造
③家族との交流の機会の確保や地域住民との交流を図る観点から、住宅地等に立地する

やさしい手は全国19拠点展開中

やさしい手では、看護小規模多機能のニーズが見込まれると予想して、いち早く運営を始めました。現在、19拠点の看護小規模多機能を運営しております。

このノウハウを活かして、これから新規で立ち上げを検討されている事業者様向けに、やさしい手コンサルティング部では、立ち上げコンサルティングを実施しています。

先日の令和4年 1 2 月 2 0 日 社会保障審議会介護保険部会での、介護保険制度の見直しに関する意見においても、

『今後、サービス利用機会の拡充を図るため、地域密着型サービスとして、どのような地域であっても必要な方がサービスを利用しやすくなるような方策や提供されるサービス内容の明確化など、更なる普及を図るための方策について検討し、示していくことが適当である。』と記載されています。

退院後の在宅復帰の受け入れ先、看取り期など、医療ニーズの高い高齢者を支援していく上で、重要なサービスの1つです。

さて、現在新規事業を検討されている方、看護小規模多機能の運営を検討してみませんか?

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