介護現場における生産性向上とは?事例からメリットを解説

人手不足やスタッフの離職を防ぐためにも、介護現場での生産性向上は必須です。

要介護者が増加するため、人材不足をカバーしつつ業務の効率化やシステムの導入・意識改革が必要になります。

しかし、どのように取り組めばよいかわからないこともあるでしょう。

そこで、介護現場における生産性の事例から、介護現場で生産性の向上に努めるメリットを25年以上の介護事業の実績を持つ「やさしい手」が解説します。

「厚生労働省の手引きを見てもどう取り組んでよいかわからない」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。

介護現場における生産性向上とは

「生産性向上」とは、業務効率化などにより付加価値・生産性・労働分配率を高めることです。

例えば製造業や販売業の場合は低コストでより多くの製品を製造・販売して売り上げを伸ばしたり、接客・サービス業ではサービスの質や価値を上げたりすることで生産性が上がります。

介護現場における生産性を向上させるには、1人が担当できる要介護者の人数を無理なく増やせる体制づくりが重要です。

特に、これからの日本は少子高齢化で労働者が減ることが懸念されています。

要介護者の増加と人材不足を考えれば、介護現場における生産性の向上は早急に取り掛かるべき課題といえるでしょう。

介護生産性向上の取り組み事例とメリット

厚生労働省の「介護現場における生産性向上の取組を支援・促進する手引き」より、介護生産性向上に努めた事例をご紹介します。

介護生産性の向上に取り組むメリットには、例えば以下のようなものがあります。

・余裕ができ先を読んだ行動ができる

・業務がスムーズになる

・スタッフにゆとりができるため利用者もゆっくりと過ごせる

・ペーパーレス化が進む

・業務の時間短縮につながる

・職員同士のコミュニケーションが円滑になる

・情報共有がしっかりとできるようになる

・利用者のケアの質が向上する

事業所ごとに課題が異なるため得られるメリットには違いがありますが、どれも職員の身体的・精神的負担を軽減するものです。

また利用者にとってよい影響も出ているため、サービスの質の向上も期待できます。

居住系サービスの事例

事例:S社(小規模多機能型居宅介護を主体に住宅型有料老人ホームを併設)

課題:スタッフに余裕がないことで業務時間帯により無理が生じてしまうこと

   1つの時間帯に集中して無理が生じるとその後の業務に悪影響が出てしまうこと

S社はこれらの課題を解決するため、職員の意識調査を実施。

新・既存ポジションでの役割分担を明確に決め、実際に稼働して業務内容に変化があったかを確認しました。

その結果スタッフにゆとりができ、先を読んだ行動ができるようになったそうです。

申し送り後の業務移行もスムーズで、利用者のペースに合わせて行動できるようになりました。

また、「スタッフがバタバタしていないため利用者もゆっくりと過ごせていたように感じる」との意見もあり、利用者にもよい影響がでたようです。

居宅介護支援の事例

事例:U社(医療機関併設の居宅介護支援事業所)

課題:PCの未設定や職員のスキル不足による紙・時間・印刷費の無駄

   ファックス送信することによる二度手間

U社はこれらの課題を解決するため、業務効率化できるソフトをダウンロードしました。

ソフトのダウンロードは業務効率化やペーパーレス化が期待できますが、人によってはすぐに対応できないことがデメリットです。

そこで、新しいソフトを使うためのマニュアルを作成し、マニュアルを見ずに操作ができるまで実践しました。

その結果、ペーパーレス化が進んだほか業務時間の短縮・PCの操作スキルが上がるなどの成果が得られました。

また、思ったことを率直に言える雰囲気づくりにもつながったようです。

職員同士のコミュニケーションも円滑になったため、これからの業務もスムーズに行えることが期待できます。

施設系サービスの事例

事例:G社(特別養護老人ホーム)

課題:詰所掲示物の乱雑な掲示による情報の見落とし

G社は情報の見落としを改善するため、書類ファイルの整理やテプラ作成・掲示場所のレイアウト作成のほか、会議でのルールの明確化と職員の意識改革を実施。

意識改革では「自分事として取り組むことが生産性向上の成功につながる」ことを伝え、取り組みに意識を持ってもらえるよう促しました。

これらの改善案を実施した結果、回覧や掲示物の閲覧率が上がり情報の見落としが減り、提出物の期限が守れるようになりました。

以前は、情報共有した書類に対する自発的な確認は30%程度だったそうです。

しかし、取り組み後は1週間以内に90%以上のスタッフがチェックするようになり、書類の整理もスムーズに行われるようになりました。

また、情報を正しく共有して連携できるようになったため、利用者へのケアと生活の質も高くなったそうです。

 介護業界のコンサルティング相談は「やさしい手」まで!

介護現場の生産性向上についてお悩みがあれば、「やさしい手 」までご相談ください。

クライアント数100以上の豊富な実績と経験を活かし、「お気軽」「お手軽」「低コスト」で介護コンサルティングを行います。

オンラインのWeb会議でサポートするため、リーズナブルな価格でのサービスの提供が可能です。

また、初回のWeb相談は無料で承っております。

どこの会社にコンサルティングを任せるかお悩み中の方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

介護現場で生産性の向上に取り組めば、業務の改善により職員の身体的・精神的負担の軽減が目指せます。

また、無駄な作業をなくすことにより時間に余裕ができ、利用者へのケア・サービスの質が上がることも生産性を向上させるメリットです。

「生産性向上」というと企業の利益だけが高まるイメージもありますが、決してそうではありません。

特にサービス業においては質の向上が目指せるため、サービスの価値を高められるでしょう。

「生産性を上げるために何から着手してよいかわからない」

「より確実な成果を得られるようコンサルティングをお願いしたい」

このようなお悩み・ご希望があれば、25年以上の介護事業の実績を持つ「やさしい手」にお任せください。

業務の効率化はもちろん、ペーパーレス化のご提案やシステム導入のサポートをさせていただきます。