訪問介護事業所を立ち上げるには

訪問介護とは

訪問介護員(ホームヘルパー)などが利用者のご自宅を直接訪問して、排せつ、入浴、食事等の介助などの「身体介護」や洗濯、掃除、買い物等の家事といった「生活援助」を行うサービスです。

事業所数はどれくらい?

2000年以降少しずつ増えていますが、2012年に急激に増加しています。全国で、直近の2022年7月の事業所数は、34,564です。

ただ、近年、訪問介護員不足やコロナの影響で、閉鎖事業所も増加している傾向にあるそうです。

(介護給付費等実態統計・請求事業所数より集計)

開設するのに、必要な設備は?

基本的には、事務所にご利用者が来ることはないので、通所介護や介護施設等に比べると設備基準は比較的簡単にクリアできます。
ただ、ご利用者やご家族などが相談に来所されるケースもあります。

まずは、相談できるスペースの確保が必要です。会話が漏れないような、プライバシーに配慮したスペースがです。

さらに、利用者等の個人情報を保管する、鍵付き書庫が必要です。また、事務作業をするデスクや椅子、パソコン、電話や複合機。
また、手が洗える場所も必要となります。
なので、上記設備が行ける広さであれば、ご自宅やマンションの1室を事務所として、利用することもできます。

利用者宅へ訪問しますので、自転車や自動車を置く駐車場の確保も必要です。

人員基準は?

まずは、サービス提供責任者です。
資格要件は、介護福祉士・介護職員実務者研修課程修了者・看護師、准看護師です。
利用者数が40名未満の場合は、1名。41~80名であれば2人、40名を超えたらさらに1名と、利用者の人数に応じて必要になってきます。
まずは、新規立ち上げであれば、1名で充分です。
介護業界の実務経験が浅く、介護福祉士をすぐに受験できないような方でも、実務者研修を修了すれば、サービス提供責任者として、申請が可能です。
実際に、実務者研修を修了して、サービス提供責任者として登録して、開業された方も多くいます。

次に、管理者です。管理者は資格要件はありませんが、専らその職務に従事する常勤となります。
ただし、資格要件があれば、その訪問介護事業所のサービス提供責任者との兼務も可能です。
また、業務に支障がなければ同じ敷地内にある他の事業所の職務に従事できます。

最後は、訪問介護員です。
訪問介護は無資格ではサービス提供ができません。介護福祉士・介護職員実務者研修課程修了・介護職員初任者研修課程修了の資格が必要です。
常勤換算方法で2.5名以上配置が必要です。
サービス提供責任者もこの中に含めることができます。

また、生活援助サービスのみ提供できる生活援助従事者という資格もあり、提供できる内容は限定されますが、比較的短時間で取得できる資格になります。

生活援助従事者研修とは – やさしい手コンサルティング事業部 (yasashiite.com)

施設や通所介護などは、介護職以外にも看護師や相談員など、他の職種が要件になっていますが、訪問介護は、資格を持った介護職だけで立ち上げが可能となります。

申請にあたって

設備と人員が揃えば、行政に新規申請の書類を提出します。
その中には、運営規程や勤務表、平面図など作成する必要があります。具体的には、各行政の方で、公表されていますので、ご確認ください。

サービスを始める前に準備することは?

実際に、申請が下りて、サービス提供開始する際には、利用者との契約書や重要事項説明書の作成も必要です。
業務に関わる帳票類(訪問介護計画書やサービス実施記録)や介護報酬を請求するための介護ソフトなどの準備も必要です。



令和3年の介護保険法改正で、業務継続計画(BCP)の作成、高齢者虐待防止や感染症の予防・まん延防止の取り組みなど、事業所として取り組むべき事項も増えました。
今後、訪問介護事業を運営していくにあたり、こういったことを取り組みながら、さらに業務効率化が必要となってきます。

現在は、介護記録、申し送りや情報共有が、ICTを活用して効率的に行っている事業所も多いです。

お気軽にご相談ください。

やさしい手では、フランチャイズ加盟法人を募集しています。

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新規開業、新規立ち上げをご検討の方はお気軽にご相談ください。