【働きやすい職場・働き甲斐のある職場とは】(その1)

<介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています>

人手不足が続いています。
介護業界では、職場の上司・同僚・部下やご利用者・ご家族との人間関係に関する悩み、過重労働の割に賃金が安い等の理由から従業員の安定確保が難しく、退職者が相次いでおり、新規に採用しようとしても応募者が少ないのが現状です。
新規採用に際しては、人材紹介事業者の利用、新聞等への折り込み、チラシの配布、知り合いからの紹介などが考えられます。
しかし、いずれの方法を試みても、反応が弱いのが現状です。

<新規に採用するより、従業員の退職をなくすこと>

熟練した従業員の退職は、企業にとって大きな損失になります。
例え、新規採用が出来たとしても、人材募集費や新入社員教育に係わる余分な費用が発生します。入社間もない従業員は、仕事に不慣れなために業務効率が低下します。延いては、業績の低下を招きます。
このような状況のなかで、安定的に人材を確保して行くためには、新規採用よりも、先ずは現存の従業員の退職を防止することが重要です。
従業員が退職しなければ、新規採用に関する余分な費用は発生しません。熟練した従業者による作業は効率的です。
従業員が、「ここで働き続けたい」と思うような職場環境が整備出来れば、退職率を大幅に減少させることが出来、企業業績の向上に寄与します。

<従業員の退職を防止するには>

従業員は何故退職するのでしょうか。それは多くの場合、職場に不満があるからです。
上述しましたように、従業員の多くは人間関係に悩み、働く環境が厳しい割には賃金が安いとの不満を持っています。
不満を解消するために、賃金をアップさせるのは一つの方法ですが、現状では大幅な賃上げは難しいのではないでしょうか。そこで、働く環境の改善に取り組むことが考えられます。

<退職理由で最も多いのは人間関係です>

以前弊社で、退職理由について踏み込んで調査したことがありました。
退職理由として記載されている内容を拝見しますと、家庭の事情や主人の転勤とありましたが、本当のことを教えて欲しいと頼み込んだところ、実にその7割が人間関係についての悩みでした。
人間関係には、職場の上司の他、ご利用者やそのご家族との人間関係に関する悩みが多数を占めており、その内容の多くは、パワハラやセクハラに関するものでした。
個人の置かれた立場によっても異なりますが、従業員は業務量の割に安いとされる給与等の金銭的な問題に不満を抱いていることが多いものの、それ以上に人間関係に悩みを持っていることが分かりました。
従業員は、働きやすい職場・働き甲斐のある職場を強く求めています。
それでは、どのようにすれば働きやすい職場・働き甲斐のある職場に改善し、従業員が安心して働けるようにすることが出来るでしょうか。
次回に考えてみたいと思います。