【介護における問題:介護難民】

近年、親の介護を誰が、どのように行うかをめぐって、問題やトラブルを抱えているご家庭も少なくないのではないでしょうか?

介護における問題として今回は「介護難民」についてお話させて頂こうと思います。

念頭においてほしいのは決して他人事ではなく、誰にでも起こり得る問題だということです。

介護難民とは

介護難民とは、介護が必要な「要介護者」に認定されているにもかかわらず、施設に入所できないだけでなく、家庭においても適切な介護サービスを受けられない65歳以上の高齢者を指します。

介護難民が増える理由として


理由の一つとして高齢者の増加です。

今後も高齢化が進むのは確実で、2025年には人口の約3割、2060年には約4割を65歳以上が占めるという予測もあります。高齢者の増加に伴い、要支援・要介護認定を受ける人の数も増加しています。厚生労働省が発表したデータでは2000年には256万人だった認定人数が、2021年には679万人にまで増えました。

もう一つの理由は、介護に携わる人材が不足していることです。

介護労働安定センターの調査でも、「人材が不足している」という回答を寄せた事業所は全体の約6割に上り、人材確保の難しさが浮き彫りになっています。

介護難民の解決策

国の対策

介護難民対策として国が打ち出したのが「地域包括ケアシステム」です。地域密着型で高齢者をケアするという考え方で、各地方自治体の「地域包括支援センター」が中心となって運営を行っています。介護の相談窓口となっているので、是非覚えておきましょう。

高齢者本人やご家族の対策


介護難民にならないためには、高齢者本人やご家族の心がけも欠かせません。
年齢を重ねても、ご自身でできる範囲の事は自分でするといった心がけで、要介護者になるリスクを減らしたり、要介護度の進行を防止したりできるでしょう。

一方、ご家族は、高齢者の行動に注意を払いつつも、必要以上に干渉せず、高齢者が自分から身体を動かすように促すことが大切です。それが高齢者の筋力維持につながり、寝たきり状態になるのを防ぎます。

また、介護が必要になったときのことを考えて準備をしておくことも重要となります。例えば、介護の役割分担を考えておく、住宅のバリアフリーリフォームを行うなど、高齢者が元気なうちに対策を講じておけば、いざというときに慌てずに済みます。

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